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「ロイヤルストレートフラッシュ。おめでとうございます。」
勝者にニコニコと微笑む白髪のディーラーがいた。髪のみならず全体的に色素が薄く淡い雰囲気を漂わせるが、その体躯は淡さとは縁遠く背も高く男性的である。
「む?」
ピクリとディーラーはその場にそぐわない異様な気配を感じ、柔らかい表情のまま凪いだ視線を向けた。
──ガシャアアアン!!
突如、フロアの入り口のドアが吹き飛ばされ、悪臭を放つ魔族が現れた。
鳥と獣を合わせたような体躯の体高が5メートルは在ろうかと言う魔族。
「おやおや、うちは一見さんお断りしてますのに…。」
暢気な口調で言うと、軽やかな動作でテーブルを飛び越え、混乱に逃げ惑う人の中を逆に堂々と歩いて突き進んで行く。
「マナーの悪いお客様にはお引き取り願いますよ~」
イタズラっぽい笑みを浮かべ、ぐっと一瞬重心を沈める。
ふわりと柔らかく髪が揺れ、次の瞬間には魔族は天井近くの
壁に吹き飛ばされていた。
魔族を吹き飛ばした黒い影が霧散する。
「Oh~…服がグチャグチャです…」
弾け飛んだ魔族の体液に袖や顔が汚れつつ、ディーラーは呟いた。
ズルル…
魔族は潰れ掛けた身体を壁から引き剥がし、再び蠢き始める。崩れた体の部分から瘴気が漂い始めた。
「まだ動くのですか~?しつこいですね…。」
ふふ…と黒い笑みを浮かべた。
「これは¨破壊¨が必要でしょうか?」
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