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「確かに。アレを送り付けたのは僕だよ。けどね、僕はアレが君の所有物かと思って届けに来たんだよ。でも──どうやら違うみたいだ。」
「あ゛ぁ?この俺があんな屑を?」
「その昔、君が屑と称した程度のアンデットの軍勢で大陸の王国を潰したじゃないか。」
「あ゛~?どの話だ。」
「二世紀ほど昔の話だよ。史実にも在る。」
一歩足を下げ、リンは白鞘に手を掛ける。
「勘違いは謝罪するよ。でも今回は見逃してはいただけないか?
君と戦闘に為ったら扉の修理費とフロアの清掃費に加えてこのビルの賠償責任も負う事になるよ?」
「ヒャハハハ!!安心しろ土地ごと買収してビルの所有者ごとき黙らせる!」
「そうか…。…困った王サマだ。」
キン…
「!」
「おっ?!」
「はっ!手の早え女だぜ」
額から脳の一部が露出した状態で、ハザードはリンの姿を捉える。
「驚いた。頭半分落とせると思ったのに…」
「少しは楽しめそうだなぁ…、女ァ!!」
重圧を感じつつ、リンは「オイオイ…」と溢す。
「まだ殺気を上げるの?
君の殺気は凶悪なんだから、そう無闇に振りかざす物じゃあないよ。」
繰り出される拳を跳躍してかわし、リンの刃はハザードの鎖骨を断ち切る。
「!!」
着地し、体勢を立て直そうとするリンの頭上を影が覆った。
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