眩惑

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頭上からリンの頭を狙って振り下ろされたハザードの手を、リンは身を捻ってかわそうとするが、肩を掴まれ、そのまま足元を3フロア分打ち抜いた。 「か…はっ……ハハハ…」 埃が舞う瓦礫の中、息を吐き、リンは力無く笑う。 「…さすが、天変地異の一角。……僕じゃあ勝負にならないな…。」 ハザードの頚に深々と刃を突き立てながら呟くリン。 捕まれた左肩は削ぎ落とされ、その全身には、ハザードの体から伸びる彼自身の骨を変形させて作った数本の触手が突き刺さっていた。 「くくく…俺様に傷を負わせただけでもなかなかの物だぜぇ、女ァ。」 頚に刃が突き刺さったまま、ハザードは笑う。 「少しは可愛がってやるよ。」 ズド!! 「あぐっ…」 また数本、触手がリンの腹に突き刺さる。 「ヒャハハ!!どうだぁ?!出血大サービスだろ?!」 「…ぐぅ……っ…」 「オイオイ…」 ガクリと落ちたリンの頭を、ハザードは顎を掴んで引き上げる。 「まだイくなよ?」 「っ……ふっ、サディストだな…」 わざわざ急所を外してくる攻撃に確実に体の自由を奪われながら死ぬことは許されない。 吐血て口許を赤く染めつつ、掠れた声でリンは冗談混じりに呟く。 「良いぞ、その調子だ。」 「ッッ!!」 リンの右腕と両足の大腿に触手が突き刺さり、磔のように空中に吊し上げられる。 「妙な気配だな…、人間か?テメェ。 何嗅ぎ回ってやがる?」 「っ………ぼ…くは、あの魔族が、何か…知り…たい、だけさ。」 荒い息を吐きながらリンは答える。 「あんなゴミの出来る過程が気になるってか?」
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