出会い

5/7
前へ
/26ページ
次へ
「助かったよ、お嬢さん。 どうもありがとう。」 微笑みながら、リンは颯爽と魔族の死体から降り立った少女に歩み寄る。 一方、歩み寄ってくるリンの左足の歩調が不自然に動くのが目に入り、少女は顔色を変えた。 「足を痛めたのか?!」 「あぁ…、いえいえ違いますよ。」 軽い調子でそう言って、神父服のズボンの裾をたくし上げて見せる。 リンの左足の義足が露になった。 「この通り、こちらはナマクラ足でね。 けど神の加護か、幸いにも怪我はないから大丈夫だよ。 君こそ、その魔族の瘴気に当てられたりしてないかい?」 「ありがとう。私も大丈夫です。」 「それは何より。」 凛と微笑む少女に、リンは人当たりの良い笑みを浮かべる。 「僕はリン・冬道と言います。 お名前を頂けるかな?勇猛果敢なお嬢さん。」 「勿論。伽藍 聖と申します。」
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加