6人が本棚に入れています
本棚に追加
「助かったよ、お嬢さん。
どうもありがとう。」
微笑みながら、リンは颯爽と魔族の死体から降り立った少女に歩み寄る。
一方、歩み寄ってくるリンの左足の歩調が不自然に動くのが目に入り、少女は顔色を変えた。
「足を痛めたのか?!」
「あぁ…、いえいえ違いますよ。」
軽い調子でそう言って、神父服のズボンの裾をたくし上げて見せる。
リンの左足の義足が露になった。
「この通り、こちらはナマクラ足でね。
けど神の加護か、幸いにも怪我はないから大丈夫だよ。
君こそ、その魔族の瘴気に当てられたりしてないかい?」
「ありがとう。私も大丈夫です。」
「それは何より。」
凛と微笑む少女に、リンは人当たりの良い笑みを浮かべる。
「僕はリン・冬道と言います。
お名前を頂けるかな?勇猛果敢なお嬢さん。」
「勿論。伽藍 聖と申します。」
最初のコメントを投稿しよう!