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「…なるほど。傭兵団のね。」
お互いの自己紹介を交わした後、聖の話を聞いたリンは聖の身のこなしに納得して応えた。
「任務を終えて帰るつもりだったのですが、その…恥ずかしながら道に迷ってしまったようで…」
「はは…なら、僕は君の迷子に助けられたと言うことか。」
困ったように微笑む聖にリンは冗談混じりに答えた。
「しかし、貴女はどうしてこんな山道をお一人で?」
「いやね、お葬式の出張に来て…帰りに知り合いに会いに行く途中だったんだ。
こんな足だけど歩いて回るのが好きでね。
それで山越えをしていたらこの魔族に追い掛けられてしまったんだよ。」
リンはちらりと絶命した魔族に視線を向ける。
つられるように聖も魔族に視線を移した。
「それにしても…この魔族一体何なのでしょう?」
「うーん…」
(ん─?)
見たところ魔族の複合体に見える。
術式を組んだか、そうなるよう遺伝子操作されたか…。
いずれにせよ、既存の魔族とは考えにくい。
(…と言うか、これは……)
「?どうかしましたか?」
魔族の死体を眺めて続けているリンに聖は問う。
「ああ──いやね…、コレ、また動き出さないかなーって。」
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