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「何…?」
怪訝そうに聖は顔を曇らせる。
「見た目死んでるんだがなぁ…」
「……リンさん?貴女…」
明らかに死んでいる魔族の復活を何故そのように懸念するのか。
引っ掛かりを感じ、聖は僅かに剣呑さを帯びた目でリンを見た。
「ん?ハハ…僕はただ神に仕え、主の御心の儘に迷える子羊に手を差し伸べるだけが能のナマクラ神父ですよ。
ただ生きてると色々な魔族には合うけど、こう言うのは始めて見るからね。」
「…そうですね。」
暢気に答えるリンの言葉に一抹の不安を感じ、聖は重い口調で答えた。
「心配させちゃった?
ごめんね。年を取ると要らん心配にまで気を回すようになってね。
まぁ、とりあえずこの場を離れよう。よく解らないのに深追いするのは危ないからね。」
「はい…」
「…。この魔族が何にせよ、このまま道に倒れられてたら迷惑だ。
撤去の為にいずれ傭兵団にも声が掛かるかもね?」
(あれはまるで¨死霊¨だね…)
(餅は餅屋と言う事もあるし…)
(一つ、カマを掛けてみるかな?)
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