第一章

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「確かに俺は智恵に振られた。だけどな、智恵にこんなことする必要はねぇだろ!」 私の前に立ってみんなにそう言う彼 普通ならこんな素敵な彼氏にキュンとするんだろうけど。 「智恵はな、いつか俺のところに戻ってくるんだよ。」 いつの間にか彼に肩を抱かれていた。 かっこいい彼氏を気取ってるだろうけど、私はかっこよくも思わなかった 「俺は振られても智恵を愛してる。他の女に移ることなんてない!」 この言葉を聞いたからだと思うな。 私の濃厚な血管がぶち切れたのは。 「………ないでよ…」 「え?」 下を向いてなにかを言う私に直樹が聞いてきた。 「ふざけんなって言ってんだけど。」 あーあ。 私は肩を抱いていた直樹の腕を自分から離し、思いっきり彼を押した。 「なっ…」 「他の女に移ることなんてない? 笑わせないでよね」 直樹はいきなり顔色が変わったあたしを見て目を見開かせている。 「あ、あたりまえだろ!俺はお前が好きなんだよ!」 私はその言葉を聞いて小さく口角を上げる。 そして、床にしりもちをついて無様な姿の彼の前に行き目線を合わせた。 「じゃぁなんで、私じゃないほかの女なんかと昨日の放課後の空き教室でエッチしてたのかな?」
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