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「もう一度、付き合ってくれる…?」
迷いはなかった。
声も震えなかった。
君の瞳の中に映る僕。
あの日の君に似ているようで、それだけで嬉しかった。
君の瞳が驚きで大きくなると、涙の膜が溢れてきた。
「…はい」
俯いた君は小さく返事をした。
僕は身体中の力が抜けて、ベンチにもたれかかる。
上を見上げたら桜の花びらが、ひらひら、舞い落ちてきた。
風に飛ばされるのではなく、重力に従って舞う姿が、とても自由に思えた。
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