4

7/7
前へ
/37ページ
次へ
「もう一度、付き合ってくれる…?」 迷いはなかった。 声も震えなかった。 君の瞳の中に映る僕。 あの日の君に似ているようで、それだけで嬉しかった。 君の瞳が驚きで大きくなると、涙の膜が溢れてきた。 「…はい」 俯いた君は小さく返事をした。 僕は身体中の力が抜けて、ベンチにもたれかかる。 上を見上げたら桜の花びらが、ひらひら、舞い落ちてきた。 風に飛ばされるのではなく、重力に従って舞う姿が、とても自由に思えた。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加