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帰り道、二人並んで歩く。
もう夕日が薄く色あせている。
足元には散った桜の花びらが無惨な姿で横たわっていた。
「あのさぁ、別れない?」
突然、僕の口から言葉が零れた。
今、何を言ったのか。
何故そんな言葉になったのか不思議でならない。
そうじゃない。
僕は君みたいになりたいのに…。
訂正しようにも、何て言ったらいいのか分からない。
横で歩いてる君の顔すら見れない。
「うん。分かった」
そっけない返事。
これで良かったんだと錯覚させられるくらいに。
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