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「そう落ち込むな。別に俺は怒ってねぇし、責めてねぇだろ?」
「違います!…落ち込んでるんじゃなくて反省しているんです。情けないじゃないですか…」
それを落ち込んでいると言うんだろ。と軽く頭を小突かれた。渚は笑っているようだが僕の気分は落ちたまま。
「なぁ、聞いていいか?」
「…何ですか?」
クシャクシャと無意味に髪を掻き回し始めた渚の手から逃げながら顔を上げる。
息が止まりそうになった。
向かいに座る渚は好意を見せ付けるような切なげなそれでいて、強気な眼差しを僕に向けていたのだ。
またこの空気。耐えられないのに逃げられない。焦る気持ちは、鼓動に表れていた。
こんな事になるならさっさと帰せば良かったですね。
自分が冷静を装えば装う程深みに嵌っていく気がする。
「お前が避けてるのは、この前のキスと告白の所為か?」
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