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キレるの間違いだろ。という小さな声には気づかなかったことにする。まぁ、本当に何かあったら生徒でも容赦ないと思いますけど。
「…でも如月先生は結構お前のことお気に入りだよな。なんか懐いてる」
「………懐いてるとか言わないでください」
懐いてるという言葉がぴったりと当てはまってしまう所が怖い。結構キツい言葉も言ったし成瀬先生との間に溝を作らせた(失敗に終わった)事もあったのに何故かあの人はボクに構う。
うざいのに本気で払いのけられないのはあの人の雰囲気とか性質からだろう。
溜め息をついた。
「まぁ…副顧問なんだし、今まで通り仲良くしろよ」
今まで通りが強調されてて少し拗ねたくなった。
「だから仲良くないですっ」
「はいはい…ほら、さっさと寝ろ。午後は講堂に行かなきゃいけねぇんだからな」
なんで僕が子ども扱いされなきゃいけないんでしょうか。
あやすように撫でてくる手を叩き落とし、深く布団を被り目を瞑る。狸眠りを決め込んでいたのにいつまでも離れないその気配に安心したのかいつのまにか眠りについた。
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