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「いただきます」
「…いただきます」
流されていることを若干不満に思いながらも用意された僕のスプーンを手に持つ。
向かいの渚は早々とカレーを食べていて、雰囲気や行動からは、その心理は窺えない。
何を考えているのでしょうか…。
僕達は2人で食事をする親しい間柄では無い筈だ。彼がわざわざ僕の部屋まで来る理由。
避けてたから?目で分かるほど避けたからか?
だってそれは渚が…。
嫌なことを思い出してしまったところで思考を止めたが、焦る気持ちは生まれ始めた。
今、この変態と2人きりで大丈夫なんでしょうか?
思い出された光景に内心頭を振り、残像を消そうとする。
「食べねぇの?」
「っ…え?あ」
いきなり話しかけられたことに肩を揺らしてしまったのは失敗だと思った。
「何も変なもの入れてねぇよ」
「わ、わかってますよ!…いただきます」
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