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「で、何しに来たんですか?」
「あ?あー…」
機嫌が悪くなったことを隠しもしない渚が簡単な質問に言葉を詰まらせる。
僕はその態度にカレーを食べることも躊躇してしまうくらい居心地の悪さを感じた。
元々この人と2人きりと云う状況自体、息苦しさを伴うのに更に沈黙までされたら、どうしていいか分からない。
「…あの物思いに耽るなら、どうぞ自室にお戻りください」
「あ、構って欲しいのか?」
「はぁ!?んなわけないでしょう!あんたの頭の中どうなってるんですか!?僕は目障りだから帰れと言っているのです!!」
必死過ぎる返しがいけなかったようで渚はただ「ふーん」と面白そうに口元に笑みを浮かべていた。
僕はこんな見透かしたような渚の笑みが苦手。早くこの空間から出て行って欲しいと願うが、直ぐに叶ってはくれなさそうだ。
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