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二時間後、先に告げられた招集時間である。
リカードが会議室につくと既に何人かの傭兵が居た。
彼らもリカードと同じ部隊の傭兵だ。
久しぶりだな、どこ行ってたんだ、とお決まりの文句を投げかけられ、リカードもリカードでいつも通りのぶっきらぼうな調子で適当に返しながら席に着く。
少しばかり周りの傭兵と話しているとべリンダが入ってくる、と来れば勿論ボーマンも……予定時間ギリギリに来た。
そして予定の時間ピッタリにアネアスとそれに続いて入って来たのは1人の男。
その男というのはリカードの部隊の隊長、クライヴ中隊長だ。
「全員居るか?」
アネアスが会議室を見渡しながら確認すると、どうやら想定してた人数に足りないようで眉間に皺を軽く寄せる。
「ん……1人足りないな、誰だ?」
彼女が持っていた書類の中にあった名簿らしきものとその場に居る者達の顔を見合せながら誰が居ないか探しているその時だった。
「す、すいませんっ! 別の会議室行っちゃってそれで走って来て、あ、そのまえにそのちょっと忘れ物しちゃってあのその!」
あのそのそのあのを何度か繰り返し、わたわたと何やら騒がしく喚きながら会議室に入って来たのは誰か、一応は傭兵なのだろうがその場に居た他の者たちと比べるとなんとも落ち着きが無い。
「お前は……コーディか、良いからすぐに席に付け、説教は後回しにしてやる」
コーディと言うらしいその傭兵はすいませんすいませんと、また繰り返しながら席に着く。
「誰だアイツは?」
リカードのには見覚えのない顔、隣のボーマンに耳打ちで聞く。
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