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「真矢く~ん」
と、マンガならば後ろからゴゴゴゴゴって聞こえそうな威圧感で俺の名前を呼ぶのは、
「ねっ、姉さん、どうしたの?」
俺の姉さんこと、桜木 若菜(17)
国立中央学園に在学している高校3年生。
国立中央学園とは、とある一部の成績優秀な学生を集め、更に進化させて、毎年社会にスーパーエリートを送り出す化物校だ。
そんなところに入学しているうえに学年主席の優しいボインなおねーさんなのでモテモテである。
そんな優しいおねーさんがスッゴイ威圧感で俺を呼ぶ理由なんて無い・・・一つを除いては。
「これが何だか分かりますか?」
穏やかなクリーム色の長い髪を揺らしながら、やはり威圧感がものすごい。
「えっと、・・・。」
「私には友達の家に泊まるって嘘をついて都市の外に行った時に撮った写真を待ち受けにしている真矢くんのケータイに見えますが?」
「ギクッ!」
姉さんが大きなため息をついて。
「大体の事情は分かりますが、お誘いの断りかたぐらい覚えてくださいね?」
「でもあいつ一人で行かせるわけにもいかないし。」
「お友達を止めることはできないんですか?」
「うっ・・・。」
「友達思いはいいですが、次にやったらお仕置きですよ。」
「でも・・・。」
「お返事は?」
「・・・はい。」
これ以上反論したら本当にお仕置きされそうなので素直に返事した。
「それで今回のお仕置きは・・・。」
「結局お仕置きあるのかよ!」
そこに
「二人ともそろそろ手伝ってくださいよ。」
「あっ、恭平さん今いきます。」
神楽 恭平(35) 独身 菓子専門店 sakuragiの店長(仮)。
ちなみにsakuragiとは、うちの店で、本当は姉さんが店長なのだが、まだ学生なので、代わりにこの人が店長なのだ。
き恭平さんはバリバリの科学オタクなのでお菓子用の機械のメンテナンスを手伝ってもらっている。
「機材に異常は無かったんで今日も頑張りましょう。」
「今日は新作を作ってみたいんで、真矢くんは材料を買って来て下さい、それで今回は許してあげます。」
「そのくらいでいいの?」
「足りないですか?」
「行ってきます!」
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