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「湯浴み場ってかなり広いですね」
着替え部屋、浴室、浴槽。二人以上入っても十分余裕がある。
「入浴補助人が入っても余裕のある設計だからかな」
「入浴補助?! 王子も補助されていたのですか?」
俺以外、王子の裸を見たり、身体を触るのは嫌だ。
王子はくしゃっと笑う。
「なんて顔をしてるの。もっと子供の頃だよ」
「あ、ああ。子供の頃か」
「そうだよ」
胸をなで下ろすけど。
「ちなみに何歳くらいまでです?」
「気になる?」
「そりゃそうですよ」
「んー、でも教えない」
「なんですか、それ」
「だってそればかりは恥ずかしいでしょ」
「裸のお付き合いもしたばかりだし、今から一緒に風呂に入るのに、今更では?」
「マーツはおねしょしてた歳とか言えるの?」
「あー、あんまり言いたくないです」
「それと同じくらい恥ずかしいんだよ」
「そうですか」
「そうだよ」
そういうなら仕方ないか。
「それより、一緒に風呂に入るなら、マーツが入浴補助してくれるよね?」
「え」
「それとも僕が補助して差し上げましょうか?」
ニヤリと笑う王子。
また困らせるような事を。
「そんなことさせられる訳がないでしょう」
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