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「俺が王子に補助しますので何からしたらいいか教えてくれますか」
「勿論。そしたら服から脱がしてくれる?」
それって、誘ってきてるのか。
「自分で出来ますよね」
「出来るけど、せっかくだからマーツにやってもらいたいな」
目を細めて王子は笑う。
「それは誘ってくれてるって思っていいのですね」
「そこは湯浴みに二人きりで誘うところでもう察して欲しい」
俺に身を寄せてきたので王子の肩に手をのせる。
「ええ。それはもちろん分かっています」
「ただ、まだこうやって誘ってくれて、こんな関係になっていることに現実味がないような、不思議な感じですよ」
すると王子は俺の唇を唇で塞いできた。
丹念に味わうように、わざと音を立てるようにしてくる。
耳から脳内に浸潤するような音に刺激される。
柔らかな唇の感触も王子の肌の柔らかさも堪らない。
俺も味わうように応え、そのうち貪りあうようにキスをする。
お互いに息が荒く、不規則なリズムを作っていく。
甘く溶ける吐息が乱雑に紡がれていく。
駄目だ身体ごと味わって、そのまま喰ってしまいたい。
耳をはむと、我慢しきれないようなのか、高い声色を出してくる。
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