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身体を味わおうと、上着のボタンを上から外していく。
「ねえ。マーツはその、絡み合うようなキス、気持ちいい?」
「それは勿論」
分かりきったことを。
「僕もそうだよ」
そう、なんだよな。
「嬉しいです」
「今のキスの感覚はちゃんと現実でしょ」
王子はそれを言いたかったのか。
「そうですね」
「そうだよ。だから昨日や今朝のこと、それから今のことと夢物語にしないでよ」
「ええ、分かりました」
「僕は一線を超えたら引き返せないと思っていたから我慢してたのに、マーツが攻めてくるから僕も我慢出来なくなって、枷が外れてしまったんだよ」
「ルナール王子」
「だからマーツが責任とってよ。気持ちよくさせて。僕が一生忘れられないくらいにマーツを感じたい。いっぱい愛して気持ちよくして。僕もマーツに出来ることはしたい。愛し合いたい。心だけじゃなくて、身体で、感覚全てで愛し合いたい」
「ルナール王子。ええ」
シャツから露わになった身体。
稽古で汗ばんでいて、それがまたそそられる。
そんな身体にキスをすると、王子は切なそうに喘ぐ。
「マーツ、愛してる。好き……大好き」
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