朝と今から

17/26
前へ
/671ページ
次へ
抱き寄せていると、密着する王子の肌の感触だけでなく、泡や王子の排出したものでヌメリ、刺激しあうことになる。 「もう駄目、もう駄目っ」 「抱き寄せて、支えただけですよ」 「でも、駄目なのぉ」 と言いつつ、身体を擦り付けるようにしてくる。 「なら、何故身体をそんなにすり寄せてくるのです」 「そんなっ、……ない、わから、ない」 「刺激がもっと欲しいのではないですか」 「ふぇ? そう、なの?」 「王子……」 「ンアッ、マーツ?」 気持ち良くなって、心ここに有らずという感じなのだろうか。 考えが定まっていないみたいに、性に抗えずにいる王子は無垢に疑問符を投げかけてくる。 「俺。王子が駄目と言おうが、もう我慢出来ませんよ」 強引に深くキスをする。 「ンーッ」 何か言いたかったのか。それとも喘ぎだったのか、王子は声を出そうとしたが、やがてキスを求め始め、絡み合わせる。 今の王子のキスは俺より求めてしゃぶりつくような、吸いとられるようなキスで、思わず距離を離す。 「ハァ。マーツ、もっと。もっとキス欲しい」 「ルナール王子。欲張りですね」 「だって、身体がまだ熱い」 「駄目です。王子は先ずは俺からです」
/671ページ

最初のコメントを投稿しよう!

192人が本棚に入れています
本棚に追加