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「ヤダァ、もっとぉ」
涙目で訴えてくる。
さっきとは反対だな。
「大丈夫ですよ。きっと王子も一緒に気持ち良くなれますから」
嬉しそうにトロリとほどけた顔になる。
浴場の壁面に身体の半身が映るくらいの大きさの鏡が固定されている。
そこには棚になっているような場所もあるし、円形の椅子もあった。
「王子、鏡の前に座ってくださいますか」
「う、ん」
素直だな。
ふらふらしているのを支えて座らす。
「前見てください。王子、凄く蕩けた顔していますよ」
王子の背中へ身体を密着させ、後ろから抱く。
「そんなっ……あ、ああっ」
嫌がるのかと思ったけど、鏡を見た王子は小さく口角を上げた。
もしかして、こうやって攻めてるのも悦んでるのか。
なんて愛おしいんだろう。
「こうすれば、一緒に身体も洗えますね」
密着させた身体をゆっくり動かす。
「んっ……ふっ」
「さっきの意識が飛んでいたような顔、また鏡越しに見たいです」
「ンっ、うん……。また気持ち良くしてくれるの?」
「ええ」
「ふふ、嬉しい。けど、僕だけ気持ちいいのより、マーツと一緒に気持ち良くなりたい」
「ルナール王子………ええ、一緒に」
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