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「お湯で流しますよ」
足元から徐々にお湯に慣らすように泡を流してゆく。
「熱くないですか」
「少しずつかけてくれてるから平気。ありがとう」
泡を洗い流すと、一緒にゆっくり湯船に入る。
はぁ。と、息が漏れる王子も魅力的だ。
黙って横に並んで湯に浸かっていると、
「どうしよう」
と王子が呟いた。
「なにがです」
「ううん。なんだか、その。とても恥ずかしかったような」
だから、もう恥ずかしがっても仕方ないのにな。と何度目だろうか思うのだけど。
「なんていうか。差が凄いですね」
可笑しくて笑ってしまう。
「それ言わないで」
俺の肩に頭を乗せてきた。
「言われたら余計に恥ずかしい。ですか」
王子はそのまま黙ってしまった。
「ルナールが俺に積極的にしてくれたり快楽に素直なところは、俺だけ見せてくれているのでしょう」
顔を見せないながらも頷いてはくれる。
「恥じらいを見せてくれるも可愛いですが、積極的で快楽に素直なルナールも魅力的で愛おしいですから、俺は何も問題ないですよ」
「マーツは、恥ずかしいことさらっと言えるよね」
「それは、自分の為ですから」
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