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「許される限り、今のうちに心のままを言っておかなければ、後悔しますから」
王子の身体を後ろから抱きたくなって、包み込む。
「こうやって湯に浸かりながら一糸纏わぬルナールを抱けるなんて、思ってもいませんでした」
王子に触れるのも、湯に浸かっているのも心地よいな。
「僕もだよ」
じっとしていると、王子はぽつりと呟いた。
「その、身体の奥からマーツを求めてしまう程、こんなふうに好きになるとは思わなかった」
「ルナール」
嬉しい。
「マーツが思うより、僕はマーツを愛してるよ」
愛おしすぎて、今が幸せすぎて、切なくなる。
「そう言って貰えて嬉しいです。ルナール、愛しています」
「うん」
身体が熱い。
湯の温もりだけでなく、心や身体の中から熱くなってしまう。
もっと、もっと、王子を求めたくなる。
「のぼせちゃった。お風呂から出ようか」
「そうですね」
王子の身体を支えて湯船から出る。
王子は水滴を纏いながら、顔や身体が火照って白い肌に赤みがさしている。その姿が綺麗で、また見とれてしまう。
濡れ髪さえ綺麗に見える。
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