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満更でもないというふうに、期待を帯びた笑顔の王子に、このまま乱暴めいた秘めごとを……とは思ったが、王子の服を肩から脱がしかけるところでどうにかやめる。
「マーツ?」
「俺の王子への性欲や独占欲は、王子を苦しめる原因になってます」
腕をゆっくり下ろして、目線も外して後ろを向く。
「違うよ。僕もマーツを求めてるから。今はマーツから求められてもかまわないし、寧ろそうしてほしい。マーツからの独占欲なら僕は嬉しい」
後ろから抱きついてきた。
「僕だってずっと苦しませてしまったんだし、これからも苦しむのはマーツだよ。マーツは悪くないよ。それでも好きだし繋がりたい。独占欲やマーツと繋がりたいって気持ちは僕も強いんだよ」
王子の手が下半身に伸びてきてズボンごしに擦られる。
「んっ、王子、本当に今は駄目ですって。王子も前よりやつれてるし、お酒の匂いだって残ってますよ。ちゃんとした食事をとっていただいて、それから身を清めて身なりを整えていただかないと」
身体ごと、腰も寄せてきて、王子の硬くなったものが俺の尻にあたる。
「それよりもこっちが先」
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