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奪われた日。遺された日。
俺の家族を返してくれよ。
家族の命を助けられないのなら、助けなんか要らなかった。
いっそのこと俺も殺されればよかった。
それなら、家族一緒だった。
なんで自分だけが残ってしまったんだ。
俺の優しい母さん、頼もしい父さん、生意気な弟。
素朴でも充たされた日常だった。
なのに、その日から奪われた。
殺した奴が憎い。
そんな奴を雇う国が憎い。
助けてくれたはずの王子も国のトップの子。
なのに、なんでそんな奴に自分だけ命を助けられてしまったんだろう。
余計なお世話だった。
どう生きたらいいの。
分からない。
からっぽな感覚。
哀しい感覚。
それを憎しみで満たさないと、生きづらい。
今生きてここに居る自分が虚しくて、悔しいんだ。
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