762人が本棚に入れています
本棚に追加
「これで安心して口説けますね」
「誰を?」
「またまたとぼけて。鉄子さんですよ」
「・・・最近タメ口が多くないかい?」
「あ、すみません。つい」
「彼女は仲間内の人気者だから・・・」
曳野はさびしそうに言った。
鉄子はやはり鉄ヲタのアイドル。
仲間に遠慮して口説くことができないようだ。
真面目?
律儀?
でも、なんか、かわいい・・・。
今回も鉄ヲタ探偵と半ばバカにしていた曳野の力を見せてもらった。
そして曳野の人間性にも惹かれてきた。
最初はすぐ辞めるつもりでいたが、ここで探偵になるための修行を続けようと私はようやく決意できた。
「私、所長のような探偵を目指して、これからもっとがんばります!」
私の突然の決意表明に、曳野は一瞬驚いた後、「遅いよ!」と笑った。
最終話 終わり
「鉄ヲタ探偵」 完
最初のコメントを投稿しよう!