一両目 出会い

13/23
前へ
/110ページ
次へ
◇ 三日目 事務所に曳野はいなかった。 どこに行ったかも分からない。 一日ボーッと過しても良かったが、時間がもったいないので、スチール棚にあった過去の事件ファイルを見た。 案件ごとにきちんと情報がまとめられている。 結構几帳面だ。 将来自分で事務所を立ち上げたとき役に立ちそうだ。 でもこの調子では一体いつになるのだろう? 私は早く一人前の探偵になりたい。 そしてある目的を果たしたかった。 私は昔探偵に命を助けられたことがある。 誘拐され、死にそうになったところを助けられた。 だから今こうして元気に生きている。 彼と同じ探偵になって、彼を探し出し、一人前になった自分の姿を見てもらう。 それが探偵を目指した理由だ。
/110ページ

最初のコメントを投稿しよう!

762人が本棚に入れています
本棚に追加