755人が本棚に入れています
本棚に追加
/110ページ
鈴木さんを病院まで送り、感動の別れを鈴木さんとしたあと、三人で事務所に戻った。
ハミちゃんと二人になった時、彼女はこっそり私に言った。
「探偵の報酬って、どうやって計算するか知っている?」
「基本料金と活動時間です」
「そう。だから簡単に解決してはあまり儲からないのよ。彼は人がいいからすぐ解決しちゃう」
つまり分かっていても、解決までもっと時間を引っ張れということだ。
時間のない鈴木さんに悪いじゃないか。
曳野の報酬が減れば、自分へのキャッシュバックも減る。
だから不満なんだろう。
私はがめついことを考える隣の女をムッとして見た。
ハミちゃんはボソッと言った。
「だからこっちもつい彼に仕事を回しちゃうのよね~」
ハミちゃんはいい人だった。
悪い人だと決め付けてすみません。
第二話 終わり
最初のコメントを投稿しよう!