一両目 出会い

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私はしばらく状況把握ができなかった。 車掌がいるけれど、ここは曳野探偵事務所でいいのだろうか? 車掌は言った。 「探偵事務所に何の用?」 明らかに私を子ども扱いした喋り方。 そしてここの主の態度だ。 『車掌じゃなかった!?も、もしかしてこの人が曳野探偵!?』 事務所の中にはこの人しかいないからそうだろう。 そのまま引き返そうかと思った。 でも最初で最後のチャンスだと考えると、かろうじて思いとどまった。 「私、面接を受けに来た宇佐美操です」 車掌(?)は思い出した顔になった。 「そういえば波多野校長から電話があったな。今日だったか」 「これ・・・」 私は校長に持たされた紹介状をカバンから出して渡した。 車掌(?)は紹介状を受け取ると、ソファに座るよう勧めた。 私はまだ『本当にこの人なのだろうか?』と疑いながら面接を受けた。
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