記憶

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高2になり、母と京都へ旅行に行く事になった。 母と旅行に行くのは初めてだ。 母と2人で生活しているため、母はいつも仕事で忙しくしていた。 幼い頃、近くのデパートに買い物に行くことが、唯一の楽しみだった。 京都は母が生まれ育った土地だと言う。 「京都には誰か知り合いがいるの?」 「芽依は覚えてない?健太郎君と梓ちゃん。」 「会ったことがある人達なの?」 「一緒に住んでいたのよ。4歳だったから…、覚えてないか。そこのお宅に遊びに行くから格安旅行よ。」と、母は楽しそうに言った。 夢だと思っていたのは、幼い頃の記憶だった。 私と変わらない年頃の女の子と少し年上の男の子。いつも、一緒にいたように思う。
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