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状況を把握しようとゆっくりと上体を起こす。
女性の叫びが聞こえたが、姿を確認する事はできなかった。私の周辺は騒然とするが、少し外れると何が起こったかも知らない人が、私がいる線路を覗いては声を上げたり、指差したりしている。
それよりも私の心をとらえて離さなかったのが、まだ距離のあるトンネルの暗闇で光る二つの目だった。
いつもは怖くも何ともないスピードの鉄の塊がこんなに速く、恐ろしく迫って来るように感じたのは初めてだった。
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