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俺達はいつも通り2年D組とドアの上に表示されている教室に入って行った。
「龍一くんおはよう」
教室に入って早々によく見知った女の子が駆け寄ってきて俺に朝の挨拶をしてきた。
こいつは高城詩恩。
容姿は綺麗な黒髪を腰のあたりまで伸ばしててスタイルの良い正統派美少女ってところかな。
なんでも親父さんが陸軍のお偉いさんらしい。
俺にはよく話し掛けてくるのだが、裕真の事はあまり良く思っていない様だ。
少しチャラチャラしたした感じの容姿と馴れ馴れしい態度があまり気に食わないんだとか。
「おう、おはよう」
詩恩に挨拶をし返せばもう座り慣れた木製の椅子に腰を降ろしてカバンを机の右隣に置いた。
もうすぐ朝のホームルームが始まる時間だ。
「ほらー、席につけー、ホームルーム始めるぞー」
机に突っ伏しながら心地好いまどろみの時間を楽しんでいたのにもう担任が来やがった。
この担任の厭味っぽい話し方や声は入学当初から全く変わらない。
俺はこのいけ好かない担任の話なんて聞くつもりはなかった。
どうせいつもと同じ進路関係の話や、誰とははっきりと言ってはいないが成績の悪い生徒達に向けた厭味等のつまらない話だと思ったからだ。
暫く机に突っ伏していると担任はホームルームを済ませて教室を出て職員室へと戻って行った。
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