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彼が触れた肩は所は、焼けつく炎が当たったように熱かった。
「…………ック!!」
イリスは思わず呻き声を上げた。
まるで烙印を押されたかの様に、肩が激しく傷んだ。
なんなんだ、こいつは…!?
初めての苦痛で悲鳴をあげそうになった。
人間の分際で、悪魔に楯突く気なのか?
イリスは正体不明の少年を訝しげに睨んだ。
見た目は子供のようにあどけなく大きな黒い瞳がイリスの瞳を捉えた。
東洋人であるからきっと子供に見えるが、もう少し大人であろう。
先程から香る花の蜜のように甘い香りが鼻に付く。
じっと眺めると、少年の手から先ほどの揉み合いになった時に付いたであろう切り傷から少量の血が流れていた。
イリスは我慢できなくなり、焼けつく痛みを堪えながら、少年の手を取り滴り落ちる血を舐めた。
「あああっ…あの!ちょ……すいません!ダメです!!血は汚いんですから!」
少年は真っ赤になりながら、必死にイリスの唇を離そうとする。
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