零日目:突然変異

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父が信頼できる知り合いが管理する施設。悪いことは起きない……だろう。 俺が重大な何かを喪失しなければ……の話だが。 「兄貴?」 弟の声に、現実に引き戻された。 何を考えているんだ、俺は! とりあえず、この誕生日パーティを楽しまなければ! 花柄のテーブルクロスに並べられた料理は、どれも美味しそうだ。焼きたてのチキン、これまた焼きたてのケーキ。ストロベリークリームとチョコが、見事に彩飾されている。 、あとは……テーブルを囲む家族。 正面には父。その隣には母。 母の正面には、弟が座っている。 「唐揚げには興味ないんだ?」 含み笑いを浮かべた母が、突然問いかけた。
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