叶わなかった恋

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高校、春 青春真っ盛りのこの季節。 高橋 彩(あや) 昨日はいろいろあり、教室にて机でぶっ倒れて寝ています。 「彩ー!彩ー彩!あーやー」 ーー・・・ドカッ 私の頭が重みをとらえた。 まだ、曖昧な意識の中、顔を上げる。 「わぁっおはようっ!」 ひりひりと痛む頭を手で押さえる。 私の頭の上にのせられた物体は、大きな大きなピンクのカバン。 ジャラジャラとデコられたストラップやかわいい子グマのキーホルダーたくさんついている。 「うー痛い。」 悲鳴を上げながら、持ち主をにらむ。 すみれの彼氏がくれた、彼女の大切なカバンだとか。 普通、学校に大切なのを持っていくか!? 汚れるだけじゃん。 なんて思ってたけど、すみれったら毎日、手入れしてるからそれはそれでいいのかななんて思う。 「あのさー頭重い。」 そろそろ、私の顔も限界なようで痛みが脳まで走る。 「っ!あーごめんっ。彩ったら寝ぼけて、全然私の声も届いてなかったんだもんっ!」 手の指のすれすれまであげられたカーディガンの袖は、やっぱりピンク色で、すみれによく似合ってる。
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