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彼女が死神から人間に変わった。 部屋に入るまでは人間で、入ったら死神になって、再び人間になった。変身の繰り返しに意味がわからない。状況が全くわからないから、健吾は恐怖を継続して感じていた。 「なんで私の名前知ってるのよ」 彼女は健吾の肩を掴み、強く揺する。 視線を左に流すと、包丁が顔に向けられていた。健吾は上体を揺らされながら、顔を左に傾けた。 久美は優しい女の子。こんな乱暴で包丁を突きつけたりはしない。健吾は彼女の顔を見るために、首を傾けたまま顔を起こした。 居間に続くドアを背中に受け、久美と呼んだ対象に問い詰められている。 健吾は気付いた。恐怖を感じてなかったようにすぐ忘れ、彼女の顔をちゃんと見た。 「キミ……だれ?」
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