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こんな可愛い女の子が恋人だったら良いのに。そう思いながら手に持っていたチラシをコンビニの袋に詰め込んだ。 傷もシミもない素足を見下ろしながら、少女がなぜここに要るか、考えてしまう。 野蛮なことから些細な頼み事が安易に浮かぶ。どの道ハッキリとしているのは、彼女が自分に会いに来た事実。それだけで健吾は満足で、嬉しさに口許が歪む。 会いたくて会いに来たのかも。恋人気分を三度買っただけのつもりが、彼女の心も受け取ってしまっていた。健吾は自得寄りの発想を浮かべ、玄関に近付いた。 「中……入りなよ」 健吾は嬉しさを押し殺し、不器用なりに涼しい顔を作る。上着のポケットから部屋の鍵を取り出して、鍵穴に差し込み鍵を開けた。 鍵をしまって、彼女の方を見る。少し角度を変えて健吾の背後に立っている。 ドアを開けて、室内に身体を半分入れ、スイッチに手を伸ばした。 「どうぞ。ほら、入りなよ」 廊下の明かりを付け、健吾はドアを支えながら彼女を誘った。
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