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僕 シレネとカリンは、一卵性の双子の兄弟。
僕が兄で、カリンが弟。
背格好も同じ。
服もお揃いにして。
髪型はいつも一緒。
似た発言をして。
同じものを買って。
好きになるモノも、一緒。
違うとすれば、ほんの少しの性格。
僕は、どちらかと言えばカリンを引っ張っていくタイプ。
友人も多い、人望も厚い。
カリンは、どちらかと言えば僕にくっついてくるタイプ。
友人は少ない、仲の良い数人でいい。
少しのズレがあったりするけど、僕たちはいつも一緒にいる。
1つ歳上の彼と会うのも、同じ日同じ時間。
やっぱり2人一緒に居た時だから、当たり前なんだけどさ。
別に特別な日な訳でもない。
いつも通り歩いた廊下ですれ違って声を掛けられた。
「ねぇ、君たちが1年の瀬戸兄弟でしょ?」
なんだ、なんだ。
僕たちは有名なのかって笑い合った。
両親のおかげか、可愛い顔に産まれた僕たちは、その容姿と双子というステータスで有名だったらしい。
後に、彼から聞いた話だ。
当時僕たちは、双子だから出来る「どっちが僕でしょうかゲーム」にハマっていた。
「センパイ、ゲームしよっか」
「どっちが僕でしょうかゲーム」
「僕がシレネ」
「僕がカリン」
「「じゃあ、目を閉じて」」
声を掛けられた時の受け答えは、いつの間にかいつもこれだった。
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