虹 Ⅱ

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―――キミといる、この瞬間が… 何よりも、一番大事なもの。 「ねぇってば!」 いきなりキミに肩をつかまれた。 「え…?」 「もう、さっきから呼んでるのに。」 うそっ。呼んでたの? 全然気づかなかったよーー。 「ごめんって。で、どうしたの?」 仕切り直して問い掛けてみる。 するとキミは視線を私とは別のところに向けて呟くように言った。 「――ごめん…。」 え?あ、傘のこと? キミが笑ったことで私が拗ねたから? 「ふふっ。」 「~~っ。んだよ。」 キミは私が笑ったからちょこっと拗ねちゃったのかも…。 だって。おかしかったんだもん。 キミがあんなことぐらいで謝っちゃってさ。 それに、そんなに顔赤くして言われたら尚更おかしいでしょう? 「んー。どうしよっかなー。許してほしい??」 するとキミはそらしていた目で私をジっと見つめた。 そして「別に」と呟き、 "ごめんね"の返事を聞かずにキスをした。
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