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ある季節の変わり目の日。
彼氏と口喧嘩になってしまった。
キミは拗ねてしまった。
「もう、いいよ。俺、帰るわ。」
って、言って姿を消した。
何よ。そっちが悪いんでしょ?
そう思った。でも、言えなかった。
「もぉやだ…。涙出そー…。」
でも。好きだし。
そこは…譲れない。誰にも。
私にとってはその大好きなキミの姿は宝物同然。
「しょうがないじゃん。今日は先に行って待っててあげる。」
そう独り言をそこに残してキミがいつも行くトコロヘ向かった。
いっつもそうだね。キミは拗ねるとココに来るでしょ?
私は知ってるのよ?
町の外れの丘。
ここからは町が見渡せる。
ホント、この場所好きだな。
景色が最高級だもん。
そういえばここで告白されたんだっけ。
―――私がここにひとりで来てたとき。キミがそっと近づいてきて…。何かな、どうしたんだろう?って思ってた。
『どうしたの?』
そう、聞いたらキミは
『こ、ここの景色綺麗だよねっ。』
顔を少し赤らめて言った。
『ふふっ。ほんと。ここ私いちばん好きなの。』
『お、俺…。は、おまえがいちばん好き…。』
びっくりしてキミをみたら耳まで真っ赤にしてた。
そして、
『俺と、』
そこまで言うと口をむすび、私の目を見てまた口をあけた。
『―――付き合ってください。』
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