虹 Ⅰ

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ある季節の変わり目の日。 彼氏と口喧嘩になってしまった。 キミは拗ねてしまった。 「もう、いいよ。俺、帰るわ。」 って、言って姿を消した。 何よ。そっちが悪いんでしょ? そう思った。でも、言えなかった。 「もぉやだ…。涙出そー…。」 でも。好きだし。 そこは…譲れない。誰にも。 私にとってはその大好きなキミの姿は宝物同然。 「しょうがないじゃん。今日は先に行って待っててあげる。」 そう独り言をそこに残してキミがいつも行くトコロヘ向かった。 いっつもそうだね。キミは拗ねるとココに来るでしょ? 私は知ってるのよ? 町の外れの丘。 ここからは町が見渡せる。 ホント、この場所好きだな。 景色が最高級だもん。 そういえばここで告白されたんだっけ。 ―――私がここにひとりで来てたとき。キミがそっと近づいてきて…。何かな、どうしたんだろう?って思ってた。 『どうしたの?』 そう、聞いたらキミは 『こ、ここの景色綺麗だよねっ。』 顔を少し赤らめて言った。 『ふふっ。ほんと。ここ私いちばん好きなの。』 『お、俺…。は、おまえがいちばん好き…。』 びっくりしてキミをみたら耳まで真っ赤にしてた。 そして、 『俺と、』 そこまで言うと口をむすび、私の目を見てまた口をあけた。 『―――付き合ってください。』
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