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「あ、えっと……俺は、なんで今こいつらに襲われたんでしょうか?」
気になった事を聞いてみる。
「あぁ…あいつらは肉食だからな。お前を餌にでもしようとしたんだろ。まぁ、それも失敗に終わった様だがな。それ、銃ってやつだろう?」
「あ、分かります?思わず撃って、驚かせちゃったみたいなんですよ。」
「しょうがないな。少し弁解してやるから待ってろ。」
と、クマさんはうさぎ達に近づき何やら会話をしている模様。なんせ、ライオンのにゃーしか聞こえないから、よく分からなかった。
「なんとか分かってくれたらしい。お前、身体に何か寄生させてるみたいで、あまり美味しくないとも言っていたな。」
「あー…それ、多分これですね。魂で繋がってるので、離れられないんですよ。」
「そうか。ま、こいつらは特に腹が減ってる訳じゃなかったみたいだから、あんまり深追いはしないみたいだ。」
「そっか…ありがとうな。」
俺は不味いという事が広まったのか、俺が近づいても特に反応しなかったので、もふもふを撫で回してやった。ライオンなんか、喉のところを撫でられてゴロゴロ言ってる。
「どうやら気持ちいい様だぞ。口々に気持ちいいって言ってるからな。お前、なかなかのテクニシャンだな。」
「そっか。それは良かった。俺、もふもふ好きなんだよね。」
そして、もふもふをひとしきり楽しみ、俺は離れた。下から、もっとやってくれないのか。とでも言う様な視線が痛い。
「さて、俺はそろそろ行かなきゃいけないから。また来るからな。」
「そうか。次は何か土産があると嬉しい。人間の文化というモノは興味深いからな。」
「分かった。覚えてたら持ってくる。あぁ、お前らにも、肉があったら持ってくるからな。」」
うさぎ達にも約束をし、その場を離れた。俺は、森の中に足を踏み入れる。
「結構広いんだな。」
『そうね。この木々の樹齢もそこそこ長いわ。あの世界樹には遠く及ばないけど。』
「ふぅん……この世界には歴史があるんだな…」
『そういう事ね。』
「あ、小屋発見。」
森の中に、人が住んでいる気配の無い小屋を見つけた。昔は、この辺りが森の端だったのかもしれない。
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