lesson6 異世界入門

3/21
1011人が本棚に入れています
本棚に追加
/174ページ
「あ、えっと……俺は、なんで今こいつらに襲われたんでしょうか?」 気になった事を聞いてみる。 「あぁ…あいつらは肉食だからな。お前を餌にでもしようとしたんだろ。まぁ、それも失敗に終わった様だがな。それ、銃ってやつだろう?」 「あ、分かります?思わず撃って、驚かせちゃったみたいなんですよ。」 「しょうがないな。少し弁解してやるから待ってろ。」 と、クマさんはうさぎ達に近づき何やら会話をしている模様。なんせ、ライオンのにゃーしか聞こえないから、よく分からなかった。 「なんとか分かってくれたらしい。お前、身体に何か寄生させてるみたいで、あまり美味しくないとも言っていたな。」 「あー…それ、多分これですね。魂で繋がってるので、離れられないんですよ。」 「そうか。ま、こいつらは特に腹が減ってる訳じゃなかったみたいだから、あんまり深追いはしないみたいだ。」 「そっか…ありがとうな。」 俺は不味いという事が広まったのか、俺が近づいても特に反応しなかったので、もふもふを撫で回してやった。ライオンなんか、喉のところを撫でられてゴロゴロ言ってる。 「どうやら気持ちいい様だぞ。口々に気持ちいいって言ってるからな。お前、なかなかのテクニシャンだな。」 「そっか。それは良かった。俺、もふもふ好きなんだよね。」 そして、もふもふをひとしきり楽しみ、俺は離れた。下から、もっとやってくれないのか。とでも言う様な視線が痛い。 「さて、俺はそろそろ行かなきゃいけないから。また来るからな。」 「そうか。次は何か土産があると嬉しい。人間の文化というモノは興味深いからな。」 「分かった。覚えてたら持ってくる。あぁ、お前らにも、肉があったら持ってくるからな。」」 うさぎ達にも約束をし、その場を離れた。俺は、森の中に足を踏み入れる。 「結構広いんだな。」 『そうね。この木々の樹齢もそこそこ長いわ。あの世界樹には遠く及ばないけど。』 「ふぅん……この世界には歴史があるんだな…」 『そういう事ね。』 「あ、小屋発見。」 森の中に、人が住んでいる気配の無い小屋を見つけた。昔は、この辺りが森の端だったのかもしれない。
/174ページ

最初のコメントを投稿しよう!