lesson6 異世界入門

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「うあーーー……身体がギシギシいってる…」 『ストレッチしないで寝たからでしょ!?もー……』 泳ぐのは久しぶりだったので、使い慣れてない筋肉を使う事になり、身体がものすごい痛い。 「速度遅くなったし……」 『それでも予定より早く進んでるんだからいいでしょ。ほら、歩く!』 「へいへい。」 俺は、痛む身体に鞭打って、計6kgの水草を持って歩いた。朝まで水に浸けておいたので、まだ少し重い。 「んー………」 『どうしたの?』 「なんか……この依頼、変な感じがする。」 『変な感じ?』 百花は疑問を俺に向ける。 「うん……ずっと見られてるし、食料も移動の時間分しかないからな。早く着かないと、飢え死にする事に気付かない人もいるのか?」 『馬鹿な人もいるのねー。前のあんたみたいに。』 「うぐ………それは言わないで…"食べる"なんて行為、本当に久しぶりだったんだから。忘れてたんだし。」 『まあね。それはしょうがないけどね。………ってなんか鳥に囲まれてない?』 「そうなんだよな……なんか、話してる間に鳥が来たんだよな。」 楽しく話してたら、周りが何時の間にか鳥だらけになってた。肩や頭にとまったり、空にめっちゃたくさん飛んでた。 「なー…お前らなんで俺んとこ…って痛い!突くな!」 …で、懐かれた。なけなしの乾パンを一つ分けてあげたら、袋をひとつ、みんなで協力して持ってくれた。 「おー、ありがとうな。みんな、頭いいな。俺の言葉わかるんだ。」 『そうねー。あんた、動物に好かれるタチ?』 「んー……確かに、冬場外に追い出された時は、野良猫とか野良犬があっためてくれた。」 『どうりで外で寝る事に文句言わなかった訳ね。』 「おん。ほぼコンクリの上だったからな。今の土の上とか草原とかはマジふかふかで気持ちいい。毎日快眠だぜ?」 俺は空飛ぶ鳥を追いかけながら、なかなかの速さで進んだ、筋肉痛なんてもう感じない。 「お、そろそろ暗くなるからみんな帰りなー。ここまでこんなに重たいの持ってくれてありがとうなー!」 日が傾いてきたので、鳥たちを早めに返した。昼の鳥は暗闇が苦手だからな。 「うし、日が暮れるまでもう少しあるな。それまで歩くぞ。」 『頑張ってー。』 その後、先ほど乾パンはあげてしまったので、干し肉だけで夕飯を過ごして、寝た。
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