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「………ん?マスター?」
よくよく考えると、マスターって事はギルドの中で1番偉い人って事で………
「……………!」
ガタガタガタガタッ!
俺の身体はめちゃくちゃ震えた。ものすごい失礼な態度とっちまったよ!笑ってくれてたけど、本当はこのクソガキ!とか思ってたらどうしよう!良い依頼とか回さないようにされるのか!?うわあああぁぁぁぁぁ!俺は稼ぎたいんだよ!
ダッシュで部屋に戻って、狼に抱きついた。大きなもふもふに癒される。
「ど、どどどどうしよう……俺、困った…」
狼は動揺しまくる俺を見て、もふもふの大きな尻尾で頭を撫でてくれた。あー……優しいなぁ……百花の100倍くらい。
『なに失礼な事言ってるのよ!』
と言う声と共に、身体からたくさんの血液が失われる感覚。俺は平衡感覚を失って、狼の身体に倒れこんだ。
「百花………いきなり大量に血を吸うのやめてくんない?俺、死ぬからさぁ…今、一応生身なんだよ?」
『ふん!あんたが失礼な事を考えるからいけないのよ!わ、私だって実体化出来る夜なら……』
…お?なんだって?小さくて聞こえないな…
『夜なら実体化して頭くらい撫でてあげるわよって言ってるの!ハンッ!』
と、最後に嘲笑付きのツンデレがきた。まさか百花がツンデレだとは思わなかったな…びっくりだ。
「おう……ありがとな…」
その後しばらく狼に抱きついて、飯を食べてないのに気付く。
「あ、飯食ってない…ちょっともう一回行ってくるわ。」
クゥン…
狼が返事をしてくれたので、俺は再び食堂へ行った。
「すみません、まだ今月入ったばっかりなんですけど、お金っていくらでしたっけ?」
「銀貨5枚だけど、分割でも良い。今いくら持ってる?」
「えっと…銀貨2枚です。あとの3枚はまた今度でも良いですか?」
「名前は?」
「官です。相楽官。」
「ツカサ、残りが3枚っと…ん。良いぞ。好きなだけ食え。」
「ありがとうございます!」
ボーイッシュなお姉さんに銀貨2枚を渡しお許しが出たので、俺はトレイを持って皿に食べられる分だけ食べ物を盛った。
「いただきます!…………うんまぁ…」
ものすごい美味しくて、手が止まらない。どんどん食べて、デザートの果物まで胃に収めた。
「あー美味しかった…そうそう。食事ってこんな感覚だった!幸せー!」
帰りに肉を少しちょろまかして、狼にあげることにした。
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