lesson6 異世界入門

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「………ん?マスター?」 よくよく考えると、マスターって事はギルドの中で1番偉い人って事で……… 「……………!」 ガタガタガタガタッ! 俺の身体はめちゃくちゃ震えた。ものすごい失礼な態度とっちまったよ!笑ってくれてたけど、本当はこのクソガキ!とか思ってたらどうしよう!良い依頼とか回さないようにされるのか!?うわあああぁぁぁぁぁ!俺は稼ぎたいんだよ! ダッシュで部屋に戻って、狼に抱きついた。大きなもふもふに癒される。 「ど、どどどどうしよう……俺、困った…」 狼は動揺しまくる俺を見て、もふもふの大きな尻尾で頭を撫でてくれた。あー……優しいなぁ……百花の100倍くらい。 『なに失礼な事言ってるのよ!』 と言う声と共に、身体からたくさんの血液が失われる感覚。俺は平衡感覚を失って、狼の身体に倒れこんだ。 「百花………いきなり大量に血を吸うのやめてくんない?俺、死ぬからさぁ…今、一応生身なんだよ?」 『ふん!あんたが失礼な事を考えるからいけないのよ!わ、私だって実体化出来る夜なら……』 …お?なんだって?小さくて聞こえないな… 『夜なら実体化して頭くらい撫でてあげるわよって言ってるの!ハンッ!』 と、最後に嘲笑付きのツンデレがきた。まさか百花がツンデレだとは思わなかったな…びっくりだ。 「おう……ありがとな…」 その後しばらく狼に抱きついて、飯を食べてないのに気付く。 「あ、飯食ってない…ちょっともう一回行ってくるわ。」 クゥン… 狼が返事をしてくれたので、俺は再び食堂へ行った。 「すみません、まだ今月入ったばっかりなんですけど、お金っていくらでしたっけ?」 「銀貨5枚だけど、分割でも良い。今いくら持ってる?」 「えっと…銀貨2枚です。あとの3枚はまた今度でも良いですか?」 「名前は?」 「官です。相楽官。」 「ツカサ、残りが3枚っと…ん。良いぞ。好きなだけ食え。」 「ありがとうございます!」 ボーイッシュなお姉さんに銀貨2枚を渡しお許しが出たので、俺はトレイを持って皿に食べられる分だけ食べ物を盛った。 「いただきます!…………うんまぁ…」 ものすごい美味しくて、手が止まらない。どんどん食べて、デザートの果物まで胃に収めた。 「あー美味しかった…そうそう。食事ってこんな感覚だった!幸せー!」 帰りに肉を少しちょろまかして、狼にあげることにした。
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