lesson6 異世界入門

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次の朝に起きると、まず1番先に風呂に入った。地下にあって、銭湯の様に広い風呂だ。それを、朝の少し早い時間に独り占めした。 「………だれもいないし、隠さなくてもいいか。」 と、身体に刻まれた百花の蔓を剥き出しにして風呂場をウロウロする。そして、流石に身体は先だよな。と、少し慣れない固形石鹸を使って身体を洗い、ボディソープは無いのになぜかあったシャンプーとコンディショナーを使って髪を綺麗にした。それから掛け湯をしてお湯に浸かる。 「あー……やっぱり風呂サイコー♪日本じ………日本人には風呂だよなー。シャワーとか入った気がしねぇ。」 一度"日本人"という単語を言うのを躊躇ったが、それ以外にいい様がないのでそのまま使う事にした。ついでにテンションが上がってきて歌なんか歌ってしまう。 「♪好ーきー嫌ーい 君と僕あいこーぉナーイーフ突きつけ 泣き笑ったーら?壊ーれた音で耳ふさーいでーぇ空ーにこぼせ愛の歌ー♪」 フンフンと機嫌良さそうに湯に浸かっていると、ガラッと風呂場のガラス戸が開いた。振り返ると、そこには昨日の夜俺を脅したヤツが。 「「あ。」」 2人で気まずさに口を閉ざしたが、 「おはようございます…」 「お、おぅ…おはよう…」 俺から声をかけてなんとかギスギスした感じはまぬがれた。そして、そいつも身体を洗って湯船に浸かる。
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