lesson6 異世界入門

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「おい。」 「んー?なんですー?」 「その身体のやつ、どうしたんだ?まさか、自分で入れた…?狂人か?」 「やだなぁ…違いますよ。まぁ……簡単に言うと寄生とか呪いとかの類です。ある生き物を、魂に結合しながら身体に入れてるので。な、百花。」 『あら、私が出ていいの?』 「な…!?」 俺が口を開かずに百花の声が聞こえたので、相手はものすごい驚いてる。 「花の妖精です。話せるんですよー。この前ツンデレだって判明したんですけど、俺が1人でなんか言ってたら、百花と会話してるんだと思ってください。」 「あ、あぁ……それ、なんかデメリットとかあるのか?」 「え?デメリットですか?貧血になりますし、百花の機嫌が悪いと体調が悪くなります。多分夏だと半袖半ズボンははけないですしね。」 「デメリットがそれだけあるなら、メリットも大きいものだよな?」 さも当然のように彼が聞いてくる。俺はそれに 「え?メリット?ひとつもありませんけど。」 と答えた。 「え…………」 しばらくの間、お湯が入れ替わる音しか聞こえない。 『ちょっと!私にいい所が無いってどう言う事よ!』 と百花が乱入してきたので、 「そりゃそうだろ。戦闘時に身体が軽くなるわけでもないし、魔法が使える様になるわけじゃないだろ?」 『むぅ…』 図星だったのか、黙ってしまう百花。 「まぁ…長い間ひとりぼっちよりはマシだけどさ。」 『う、うるさい!』 「ぅぐっ!」 「おいっ!大丈夫か!?」 照れ隠しで血を多めに吸われ、俺は危うく失神するところだった。 「あぁ…照れ隠しで血を吸われただけなんで大丈夫ですよ…」 「ちょ…風呂なのに顔真っ青だぞお前!一度風呂から出ろ!」 引きずられるようにして風呂場から出て、更衣室のすのこの上に寝かされた。 「おら、飲め。」 「ありがとうございます…」 瓶を渡されて飲んだら、中身はフルーツ牛乳だった。美味い。 「あー…生き返るー…」 「お前がそれ言ったらめちゃくちゃ現実味帯びてて怖いな。」 やっぱり裸の付き合いなのか、一緒に風呂に入ったこの人とは仲良くなれた気がする。人間の友達第一号になったんだと思う。
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