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「………美味しい。パンってふわふわしてるんだ。」
「そりゃそうだろ。焼き立てだからな。少し時間が経つと、今度はモチモチしてくるぞ。」
「ふーん…モチモチ…そっちの甘くないのも少しもらってもいいか?」
「あぁ。ほい。」
甘くないらしいパンに乗せられている、クリーム色の固形物と赤いドロっとした液体がジャムとバターなんだろう。どっちがどっちか分からないけど。
「ありがとう。………甘くないのも美味しいな。この甘酸っぱいのはなんだ?」
「木苺のジャムだよ。美味いだろ?」
どうやら、赤いドロっとした液体の方がジャムの様だ。じゃあ、クリーム色の固形物はバターだな。
「…美味いけど、手がベタベタする…」
「それは食べ方が悪いんだ。慣れれば分かるさ。」
と、彼は器用にパンを食べ始めた。屑を少し落とすくらいで、他は全然汚くならない。
「……不思議だ…」
俺はその様子を見ながら手を拭いて、ボロボロとパンの屑をこぼしながら朝ごはんを食べた。
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