lesson7 友達と…

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部屋に戻ると、なぜか狼が部屋の中をぐるぐる回ってた。 「……何してるの?」 グルルル… 「あ、お腹空いたのか。はい。食堂からちょろまかしてきた。」 彼には呆れられたけどね。まだそんなに食うのかって。……食べるのは俺じゃないけど。 「ほら、座らないと傷がひら………治ってる!?」 俺は足を見たのだが、俺が付けてしまったたくさんの傷がもうなくなってた。びっくりして毛を掻き分けて見ても、やっぱり傷がない。 「な、なんで!?そんなに良い傷薬使ってないよ!?」 ワタワタと慌てる俺を、なだめる様に狼が舐める。 「わぷ……っ!………お前、すごいんだな……やっぱり、魔力があるのとないのじゃあいろいろ違うんだ。」 少し冷静になった俺は、良かったな。と狼の身体を撫でる。それに、狼は気持ち良さそうに尻尾を振ってくれた。 「うし、ほら肉持ってきたからな。食べろ!」 ガウ! 狼は勢いよく肉を平らげ、俺にじゃれついてくる。 「うぉ!?こ、ここじゃ狭いから外行こう!外!部屋が壊れる!」 と言うことで、俺は狼に窓からなんとか出てもらって、俺も後から続く。そこは少し広めの空き地になってて、何しても怒られなさそうだ。 「よし、来い!」 ガウ! 「うぐっ!」 どーん!と突進されて、背骨の何個かだるま落としされそうになったけど、なんとか耐えた。 「っし、撫でるぞ!」 と宣言し、押し倒された格好で狼の頭をわしゃわしゃ撫でた。さらに、今度は上に乗っかって、背中を撫でてやった。 「にしてもお前でっかいなー。力も強そうだし、羨ましいわ。」 その後、狼をひっそり街の外に連れて行こうとしたら、イヤイヤされた。 「え、外に行きたくないのか?」 くぅーん… 狼は初めて聞いたような鳴き声をして、俺に擦りつく。そして、身体のいろんなところに鼻をくっつけられた。 「………えっと…俺と一緒に寝てくれるのか?」 ガウッ! 答えが正解だったのか、狼は俺の差し出した腕を甘噛みする。なんかくすぐったい。 「ありがとな。俺、どこが良いのか分からないけど……これからもよろしく。」 ガウ! 俺は狼を飼う…?事になった。
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