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…と思ってたら、狼に服の首辺りを噛まれて背中に乗せられる。
「どこかに行くのか?」
のしのしと狼が歩いて行くのは、ギルドの正面入り口……………
「!!ちょ……待って!今行ったら俺が怒られる!殺される!待ってえぇぇぇぇぇぇ…」
俺の叫び虚しく、狼は閉じられていたドアを破って入ってしまった。
「………………。」
「………………ども。」
受付嬢がものすごい笑顔でこちらを見てきた。これから始まる恐ろしい出来事が容易く想像出来てしまい、俺は狼の毛をギュッと握る。
「………マスター!新入りが!」
「\○♪5>°☆4×5×>9〒*4〆0○!?」
ヤバい!マスターにバレたら、狼をどっかにやらなくちゃいけなくなる!どうしよう!狼は動く気配無いし、俺じゃ動かせないし…
「んー?あぁ。知ってる知ってる。問題無いよ。あ、この子に一応首輪と名前付けといて。野生だと思われて討伐対象にされちゃうかもだから。」
「え、あ、はい……」
なぜか知っていたマスターに、狼サイズのでっかい黒革の首輪を渡された。あとは、こいつに名前を付けなきゃいけないみたいだ。
「名前どんなのがいい?かっこいいの?かわいいの?」
狼は、かっこいいのの時に首を降ったので、かっこいい名前を考えようと思う。
「うーん………狼かぁ…たしか、昔の絵本で見た、神様食べちゃった狼がいた気がするな…フェンリルだったっけ?お前も大きいし、強そうだからフェンリルって呼んでもいいか?」
………否定はしなかったけどちょっと嫌そうな顔してる。やっぱり他のヤツと名前が同じなのは嫌だよな。変えよ。
「うーん……じゃあ陸は?」
ウォンッ!
オッケーみたいだ。これからこいつは陸と呼ぶ事になる。
「許可もらえて良かったなー。陸。」
撫でながら、陸に首輪を着けた。そしたら、マスターが首輪に付いていた銀のプレートに陸っていれてくれたので、なんかちょっとおしゃれだ。
「私、あの狼が人間に懐いてるのを初めて見ましたよ。」
「僕もだよ。ふふ……昨日の依頼の帰りを見てたけど、彼の周りには鳥がたくさんいたしね。動物に好かれるタイプなんでしょ。」
マスターと受付嬢がこっちを見て何か話してるが、何を話してるんだろうか?
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