1011人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ、そうだ。今からお金を稼ぎに行こうと思ってたんだ。なんかいいのありませんか?」
陸を撫でてたら急に思い出して、受付嬢に聞いた。すると、
「この前やった水草の依頼か、反対側の森で薬草を採るのが1番簡単です。そこから先は、討伐依頼が多くなります。採取依頼は、レベルが跳ね上がりますし。」
と返ってくる。
「討伐……ですか?例えばどんな?」
「そうですねぇ…1番簡単なやつだと、ビッグマウスが大量発生したから、どうにかして倒して欲しいってやつですかね。一匹につき銅貨1枚です。」
「ビッグマウス……大きなねずみのことですか?」
すると、受付嬢とマスターが驚いた顔をする。
「ビッグマウスも知らないの?ビッグマウスは、名前どおり大きな口を持つ生き物の事。まぁ…カエルみたいな感じの見た目よ。雑食でなんでも食べちゃうから、大量発生するとそれこそ小さな村なんかは壊滅しちゃうの。それを討伐するのよ。」
どうやら、俺のいたところとは全く異なる生き物もいるらしい。今までは狼とか熊とかうさぎとかライオンとかばっかりだったけど、そうはいかないみたいだ。
「んー……じゃあ、それやってみます。場所はどこですか?」
「ここから川に向かっていって、川に着いたら右に。上流に行くから。そこを歩いていくと見つかるわ。あなた、魔法を使えないからビッグマウスを入れる用の袋も貸してあげる。」
「ありがとうございます。……あ、お弁当……」
俺が慌てていると、それを見ていたマスターが、
「食堂の人に頼むといいよ。一週間分くらいかな。」
と教えてくれた。本当にありがたい。
「ありがとうございます!」
俺はダッシュで食堂に行くと、食堂の受付の人に伝え、一週間分の陸と俺よ食べ物と皮袋に入った水をもらった。それから、受付で待ってもらってた陸と一緒に外に出た。
「いってきまーす!」
「いってらっしゃい。」
俺はマスターに見送られて依頼に向かった。
「マスター…あの子、下手したら身体食い千切られて死にますよ?」
「んー?大丈夫でしょ。なんか分からないけど、あの子、動物に好かれるみたいだし。あの武器も、結構いい働きしそうだから。身体能力はダメダメだけどねーww」
最初のコメントを投稿しよう!