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「さ、行くか!…あ、陸?」
石の門から出て、歩きで目的地に行こうとしたら、陸にまた首根っこを噛まれて、上に乗せられた。そして、俺の鍛えられた歩き方より数倍早い…まぁ、簡単に言えば車より少し遅いくらいの速さで歩き始めた。
「あ、そっか……俺と陸じゃ歩幅が違うか。」
『あんたってほんっとバカよねー。』
「む…それほどじゃないし。それに、百花はまだ陸に挨拶してないだろ?ほら、挨拶して。これから一緒に過ごすんだから。」
『私百花。官の身体にお世話になってるの。声しか聞こえないけど、これからよろしくね。』
ウォン!
陸も挨拶して、3人で……1人と2匹で初めての依頼に出発した。
「って速い速い!陸速い!」
周りの景色があっという間に流れていった。さすが足の長さが違う!
「…ってここ?」
まだ半日経ったばかりの時、川が普通の川くらいの広さになっていた。そして、川べりに立つ俺たちの目の前には家が半壊になっている光景が広がっていた。
「…………。」
一気に集中し、陸から降りる。そして持っていた小銃状態の武器を構え、強く警戒する。
キキッ!ガンッ!
ギャンッ!
俺は音のした方に撃った。どうやら運良く当たったみたいだ。すると、ザワザワと周りの地面が沸き立ちあっという間に囲まれていた。
「………こいつらがビッグマウスか…」
確かに、口がデカい……というかどこがカエルに似てるのか分からない。毛皮があるし、緑じゃない。確かに、地面にうずくまってる感じは似てなくもないけど…
「ってかキモ!ナニコレ!口に唇付いてんだけど…」
悪寒が走ったけど、なんとか耐えて小銃を構えた。そして、引き金を引きっぱなし。音が連続で重なって、ものすごい大きな音になる。
ダダダダダダダダダダ…
数撃ちゃ当たるとはまさに的を射ていて、しかも大量にいたのでどんどん数を減らしていくビッグマウス達。彼らの血液は赤じゃなく、紫色だった。だから、家の残骸や地面がどんどん紫色に染まっていって、ゲームの毒の池みたいになっていく。
ガリッ!
「痛ってぇ!」
弾幕を抜け出した一匹が俺の足に噛み付いた。それを怯まずにもう片方の足で踏み潰しながら小銃の弾を補充し、再び撃つ。
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