確かに、恋だった。ー火曜日の女ー

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 天才の見る風景ってどんなのだろう?  ふと黒板を消していて思った。  一瞬考え、手を止めたが、また黒板を消し出す。  アインシュタインちゃん?  ノーベル君?  ピカソさん?  彼らは世界がどんなふうに見えてたのかな?  気になるぅ?  気になる。  気になるっ!  居ても立ってもいられなくなると、自分でも手が付けられない質の私は高月のトコに行くことにした。  もちろん!消しかけていた黒板はそのままで。  後ろで誰かが何かを喚いているけど、知~らないっ! 「なぁ~んだこれ?頭がクラクラするよ?」  図書室に居た高月を見つけた私は、一も二もなく高月のしていたメガネを奪う。  そして掛けてみた。  見てる世界は変わらなかった……。  むしろクラクラしてて気持ちが悪い。  メガネを前へ後ろへ動かして見るけど、私の見る世界は変わらなかった。  眉間にシワを寄せて唸っているとメガネは高槻に奪われた。  私は高月を見上げて睨む。 「貴女は何をしているんですかっ」
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