確かに、恋だった。ー火曜日の女ー

5/16
前へ
/18ページ
次へ
 なんのジョーダン?  もしかして私からかわれてる?  天才の高月が?  おバカな私に?  いや、ドッキリでしょ。  ああ、もうコイって何?  ワケわかんなくなってきたっ。  やーめたっ。 「青井、青井」 「はいっ?」 「教科書、112ページ。3行目から読め」  教師に名前を呼ばれてハッとする。  教科書を見ると数字がいっぱい並んでる!なんだかクラクラする。  ってこれ数学の教科書じゃん。  これを読めばいいわけ? 「x=2aとは……」  私が声を上げるとなぜかクスクスと笑われてる。  …………。  ところで今は何自限目?そしてこれはなんの授業?  この空気が嫌で私は読むのをやめる。  沈黙する教室。  私は意を決して数学の教科書を掲げる。 「えっと、ごめんなさいっ」  1も2もなく謝ればいいと思っていた……。  けどさ、何でもかんでも謝ればいいわけじゃないんだね。  
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加